残業代がわかるガイド

基礎時給の計算方法
―― 残業代の「単価」を正しく出す

残業代は「基礎時給 × 割増率 × 時間」で決まります。 この最初の「基礎時給」を間違えると、その後の計算がすべてズレてしまいます。 このページは、残業代の単価になる基礎時給の出し方を、除外できる手当月平均所定労働時間の2点を中心に解説します。

基礎時給の基本式

基礎時給 = 月給(対象部分) ÷ 月平均所定労働時間

ポイントは2つ。「月給のうちどこまでを対象にするか」と「分母の所定労働時間をどう出すか」です。順に見ていきます。

1. 月給から「除外できる手当」を引く

残業代の単価を計算するとき、次の手当は原則として基礎時給の計算から除外できます。

除外できるもの
通勤手当定期代・ガソリン代相当
家族手当扶養家族に応じて支給
住宅手当家賃・住宅費に応じて支給
別居手当・子女教育手当個人の事情で支給
臨時に支払われる賃金結婚祝い金など
1か月を超える期間ごとの賃金賞与(ボーナス)など
注意:除外できるのは上記のように「個人的な事情」で決まる手当などに限られます。役職手当・資格手当・営業手当など、これらに当たらない手当は基本給に含めて計算するのが原則です。「手当だから全部引ける」わけではありません。

2. 月平均所定労働時間を出す

月によって日数や休日数が違うと時給がぶれるため、1年を平均した所定労働時間を分母に使います。

月平均所定労働時間 = (365 − 年間休日日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12

例:年間休日120日・1日8時間

年間休日が多い(労働日が少ない)ほど分母は小さくなり、同じ月給でも基礎時給は高くなります。

3. 実際に計算してみる

対象となる月給を25万円、月平均所定労働時間を163.3時間とします。

基礎時給 = 250,000 ÷ 163.3 = 約1,531円

この1,531円が、残業代を計算するときの「1時間の単価」です。あとは割増率と時間を掛けるだけ(→ 残業代の計算方法)。

賃金の形ごとの分母の違い

賃金の形基礎時給の出し方
時給制その時給がそのまま基礎時給
日給制日給 ÷ 1日の所定労働時間
月給制月給(対象部分)÷ 月平均所定労働時間

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よくある質問(FAQ)

Q. 基礎時給から除外できる手当は何ですか?

A. 通勤手当・家族手当・住宅手当・別居手当・子女教育手当、臨時に支払われる賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は、原則として基礎時給の計算から除外できます。逆に役職手当や資格手当など、これらに当たらない手当は基本給に含めて計算するのが原則です。

Q. 月平均所定労働時間はなぜ使うのですか?

A. 月によって日数や休日数が違うと時給がぶれてしまうため、1年を平均した所定労働時間を使って単価を一定にします。式は「(365 − 年間休日日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12」です。

Q. 時給制や日給制でも基礎時給は計算しますか?

A. 時給制ならその時給がそのまま基礎時給になります。日給制は「日給 ÷ 1日の所定労働時間」、月給制は「月給 ÷ 月平均所定労働時間」で求めます。賃金の形に応じて分母が変わる点に注意してください。