「固定残業代がついているから、残業代はこれで全部だよね?」 ――そう思い込んだまま、実際には残業が固定分を超えているケースは珍しくありません。 このページは、未払い残業の有無を自分で確認・整理するための手順を、給与明細の見方から順に解説します。
未払いが起きやすい3つのパターン
- 固定残業(みなし残業)の超過分が払われていない:固定分は◯時間まで。それを超えた残業が別途支払われていない
- 割増率の取り違え:深夜や休日の重なり(合算)が反映されていない
- 残業時間の集計漏れ:始業前の準備時間や持ち帰り作業などが時間に入っていない
確認の手順
- 給与明細・契約書で「固定残業の時間数」を確認する
「固定残業手当」「みなし残業」「営業手当(◯時間分)」などの記載と、その金額・対応時間を確認します。 - その月に実際に何時間残業したかを集計する
平日・深夜・休日に分けて、種類ごとの時間を出します。 - 実際の残業代を計算する
「基礎時給 × 割増率 × 時間」で、種類ごとに合計します(→ 残業代の計算方法)。 - 固定残業代の額と比べる
実際の残業代が固定分を上回っていれば、その差が「本来追加で支払われるはずの目安」になります。
具体例で比べてみる
基礎時給1,531円、固定残業手当が「20時間分=30,620円」と仮定します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定残業(契約) | 20時間分 = 30,620円(1,531 × 1.25 × 20) |
| 今月の実際の残業 | 平日35時間 |
| 実際の残業代 | 1,531 × 1.25 × 35 = 約66,981円 |
| 差額の目安 | 66,981 − 30,620 = 約36,361円 |
このように、固定残業の「時間数」を超えた分は、本来別途計算されるべき金額として浮かび上がります。まずは事実を数字で整理することが第一歩です。
まずは「実際の残業代」を数字にしてみる
差額を確認するには、実際の残業代を正確に出すのが出発点です。
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よくある質問(FAQ)
Q. 固定残業代(みなし残業)があれば、それ以上は払われないのですか?
A. いいえ。固定残業代は「一定時間分の残業代を前払いしておく」制度です。実際の残業がその時間を超えた場合、超過分は別途支払われるのが原則です。まず固定残業が何時間分なのかを確認し、実際の残業時間と比べることが出発点になります。
Q. 給与明細のどこを見れば固定残業時間がわかりますか?
A. 「固定残業手当」「みなし残業手当」「営業手当(◯時間分)」などの名称で記載されることが多いです。雇用契約書や就業規則に『◯時間分の時間外手当を含む』と書かれている場合もあります。金額と対応する時間数の両方を確認しましょう。
Q. 自分で計算した残業代と給与明細が合いません。どうすればいいですか?
A. まずは基礎時給の対象範囲や割増率の適用、残業時間の集計に行き違いがないかを確認します。それでも差がある場合は、計算の根拠を整理したうえで、勤務先の担当部署や労働基準監督署、専門家に相談するのが確実です。