残業代がわかるガイド

残業代の計算方法を初心者向けに解説
―― 割増率・計算式・具体例つき

「自分の残業代って、ちゃんと払われているのかな?」と思っても、 いざ計算しようとすると割増率が複雑でよく分からない――。 このページは、残業代の計算を「基礎時給 → 割増率 → 時間」の3ステップに分けて、 計算式と具体例でやさしく解説します。最後に、入力するだけで自動計算する方法も紹介します。

この記事でわかること

1. 残業代は「単価 × 割増率 × 時間」で決まる

残業代の基本の形は、とてもシンプルです。

残業代 = 基礎時給 × 割増率 × 残業した時間

つまり、必要なのは次の3つだけです。

要素意味
基礎時給残業1時間あたりの「もとの単価」。月給から計算する
割増率平日25%・深夜・休日・月60時間超など、労働の種類で変わる
残業した時間その種類ごとに、何時間働いたか
つまずきポイントは2つ:「基礎時給をいくらにするか」と「どの割増率を掛けるか」。この記事はこの2つを順番に解説します。

2. 基礎時給(残業の単価)を出す

残業代のもとになる時給は、月給をそのまま時間で割って求めます。

基礎時給 = 月給(対象部分) ÷ 1か月の平均所定労働時間

「1か月の平均所定労働時間」は、次の式で求められます。

月平均所定労働時間 = (365 − 年間休日日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12

例:月給25万円・年間休日120日・1日8時間の場合

注意:月給のうち、通勤手当・家族手当・住宅手当などは基礎時給の計算から除外できます(詳しくは 基礎時給の計算方法 を参照)。

3. 割増率を正しく使い分ける

残業の「種類」によって、掛ける割増率が変わります。法律で定められた最低ラインは次のとおりです。

労働の種類割増率補足
時間外労働(平日の残業)25%以上1日8時間・週40時間を超えた分
深夜労働+25%以上22時〜翌5時の時間帯
法定休日労働35%以上週1日の法定休日に働いた分
月60時間超の時間外労働50%以上2023年4月から中小企業も対象

割増は「重なる」ことがある

深夜や休日は、時間外と重なって合算されます。

状況合計の割増率
平日の残業(通常)25%
平日の深夜残業(22時以降)25% + 25% = 50%
法定休日の労働35%
法定休日の深夜労働35% + 25% = 60%
よくある誤解:「休日に残業したから25%+35%」ではありません。法定休日労働はもともと35%で、時間外(25%)とは重ねません。重なるのは「休日+深夜」「時間外+深夜」の組み合わせです。

4. 具体例で計算してみる

基礎時給を「1,531円」として、いくつかのパターンを計算します。

例1:平日の残業を10時間

例2:平日の深夜残業を5時間

例3:法定休日に8時間(うち深夜2時間)

月60時間を超えたら

1か月の時間外労働が60時間を超えた場合、超えた分は割増率が50%に上がります。たとえば月70時間の残業なら、60時間までは25%、残り10時間は50%で計算します。

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よくある質問(FAQ)

Q. 残業代の計算で基礎時給に含めない手当はありますか?

A. 通勤手当・家族手当・住宅手当・別居手当・子女教育手当、臨時に支払われる賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は、原則として基礎時給の計算から除外できます。これら以外の手当は基本給に含めて計算するのが原則です。

Q. 深夜の残業は割増が二重にかかりますか?

A. はい。22時〜翌5時の時間帯に時間外労働をした場合、時間外の25%と深夜の25%が合算され、合計50%以上の割増になります。法定休日の深夜なら35%+25%で60%以上です。

Q. 月の所定労働時間はどう求めますか?

A. 「(365日 − 年間休日日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12か月」で1か月平均の所定労働時間が出ます。基礎時給は月給をこの平均所定労働時間で割って求めます。

Q. 固定残業代があると残業代は出ませんか?

A. 固定残業代は「あらかじめ一定時間分の残業代を払っておく」制度です。実際の残業がその時間を超えれば、超過分は追加で支払われる必要があります。まず実際の残業代を計算し、固定残業代の額と比べることで過不足を確認できます(→ 未払い残業代の見分け方)。